こんにちは、「リスキリング転職ラボ」のユウです。
私は以前、スクール営業としてスキルアップやキャリアチェンジを考えている方の相談に携わり、現在は現役転職エージェントとして、転職やキャリアについての相談を受けています。
事務職として働いていると、ふと将来についてこんな不安を感じることはないでしょうか。
- このままずっと事務職を続けていいのかな
- 自分には専門的なスキルがない気がする
- 事務職から別の仕事へキャリアチェンジできる?
- 転職のために何か勉強した方がいい?
- リスキリングするなら何を学べばいい?
結論から言うと、事務職からキャリアチェンジを考えるときに、今までの経験をすべて捨てて、ゼロから別のスキルを身につける必要はありません。
大切なのは、
「これまでの事務経験 × 新しく身につけるスキル」
で考えることです。
事務職では、資料作成、データ入力、社内外との連絡、スケジュール調整、Excelを使った集計、業務の進捗管理など、さまざまな仕事を経験します。
一見すると「専門スキルではない」と感じるかもしれません。
しかし、新しいスキルを掛け合わせることで、経理、人事、ITサポート、Webマーケティング、業務改善など、キャリアの選択肢を広げられる可能性があります。
まだ「何を学ぶか」自体が決まっていない方は、先にこちらの記事も参考にしてください。
リスキリングで何を学ぶ?20代・30代におすすめの分野7選|転職につながる選び方を解説
この記事では、元スクール営業×現役転職エージェントの視点から、事務職からキャリアチェンジしたい方におすすめしたい5つのスキルと、転職につなげるための考え方を解説します。
事務職からキャリアチェンジするときは「経験+スキル」で考える
事務職からキャリアチェンジを考えている方と話していると、
「自分には特別なスキルがありません」
と感じているケースがあります。
しかし、本当に何も持っていないとは限りません。
例えば、事務職で日常的に行っている仕事を分解すると、
- Excelやスプレッドシートを使ったデータ管理
- WordやPowerPointを使った資料作成
- 社内外とのメール・電話対応
- 複数業務のスケジュール管理
- 営業担当者や他部署との調整
- ミスを防ぐための確認作業
- 決められた業務を効率よく進める力
などがあります。
こうした経験は、職種が変わった瞬間にすべて使えなくなるわけではありません。
むしろキャリアチェンジでは、
「今まで何をしてきたか」+「これから何ができるようになるか」
をセットで考えることが重要です。
例えば、
- 事務経験+簿記・会計 → 経理
- 事務経験+IT知識 → ITサポート・社内ヘルプデスク
- 事務経験+データ分析 → 営業企画・業務改善
- 事務経験+Webマーケティング → Webマーケター
- 事務経験+生成AI → 業務効率化・DX関連業務
というように、これまでの経験に新しいスキルを掛け合わせることで、次のキャリアを考えやすくなります。
事務職からキャリアチェンジするならおすすめのスキル5選
ここからは、事務職経験を活かしながらキャリアの選択肢を広げやすいスキルを5つ紹介します。
ただし、「これを学べば必ず転職できる」という意味ではありません。
自分が目指す仕事から逆算して選ぶことが大切です。
| 学ぶ分野 | 活かしやすい経験 | つながりやすいキャリア例 |
|---|---|---|
| Excel・データ分析 | データ入力・集計・資料作成 | 営業企画・業務改善・データ関連業務 |
| 簿記・会計 | 請求書・経費・数字を扱う業務 | 経理・財務アシスタント |
| IT・SaaS・業務改善 | システム操作・社内サポート | ITサポート・ヘルプデスク・社内IT |
| Webマーケティング | 資料作成・数値管理・社内調整 | Webマーケター・マーケティングアシスタント |
| 生成AI・業務効率化 | 定型業務・資料作成・情報整理 | 業務改善・DX推進・幅広い事務職 |
Excel・データ分析
まず検討しやすいのが、Excelやスプレッドシートを使ったデータ集計・分析スキルです。
事務職ですでにExcelを使っている方も多いと思います。
ただし、単純な入力だけではなく、
- IF関数
- SUMIF・COUNTIF
- XLOOKUP・VLOOKUP
- ピボットテーブル
- グラフ作成
- データの整理・集計
などまで扱えるようになると、できる仕事の幅が広がります。
さらに一歩進んで、データ分析の基礎やBIツール、SQLなどを学ぶと、営業企画や業務改善、データを扱う仕事へのキャリアチェンジも考えやすくなります。
ポイントは、関数を暗記することではありません。
「データから何が分かるのか」「その数字を仕事でどう使うのか」まで考えられるようになることが重要です。
簿記・会計
数字を扱う仕事が苦にならない方なら、簿記・会計も選択肢になります。
特に、
- 請求書の作成
- 経費精算
- 売上管理
- 入出金確認
- 伝票処理
などを経験している場合、現在の業務とつなげながら学びやすい分野です。
簿記を学ぶことで、会社のお金がどのように動いているのかを体系的に理解しやすくなります。
そのうえで実務経験を積めれば、一般事務から経理事務、さらに経理担当へと専門性を高めていくキャリアも考えられます。
ただし、資格を取ること自体をゴールにしないことが大切です。
「資格さえあれば転職できるのか?」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
転職に資格は必要?現役転職エージェントが「取るべき人・取らなくていい人」を解説
IT・SaaS・業務改善
事務職でのPC操作や社内調整経験を活かす方向性として、事務職からITサポート・ヘルプデスクへ転職するための学び方も具体的に解説しています。
事務職からIT分野へキャリアを広げたい方は、ITの基礎知識やSaaS、クラウドツール、業務改善について学ぶ方法があります。
例えば、
- パソコンやネットワークの基礎
- 情報セキュリティ
- Google WorkspaceやMicrosoft 365
- CRM・SFAなどの業務システム
- SaaSの基本的な仕組み
- 業務フローの整理
などです。
事務職では、「システムの使い方を周囲に聞かれる」「新しいツールの設定を任される」といった経験を持つ方もいます。
こうした経験にIT知識を加えることで、ITサポートやヘルプデスク、社内IT関連の仕事につながる可能性があります。
IT・Web系にはさまざまな職種があるため、「IT系なら何でもいい」と考えるのではなく、仕事内容を知ってから学ぶ分野を決めましょう。
未経験からIT・Web・クリエイティブ職へ転職するには?7職種と必要スキルを解説
Webマーケティング
Webマーケティングも、事務職からのキャリアチェンジで検討できる分野の一つです。
Webマーケティングでは、
- Webサイトへの集客
- SEO
- Web広告
- SNS運用
- アクセス解析
- データを使った改善
などを扱います。
一見すると事務職とは大きく違うように見えます。
しかし、数値管理、資料作成、スケジュール管理、関係者との調整といった経験は、マーケティング業務でも活かせる場面があります。
特に「数字を見ることが苦ではない」「改善方法を考えるのが好き」という方は、一度仕事内容を調べてみてもよいでしょう。
ただし、知識を覚えるだけではなく、自分でWebサイトやSNSを運用したり、データを分析したりするなど、実践まで取り組むことが重要です。
生成AI・業務効率化
今後の仕事を考えるうえで、生成AIや業務効率化について学ぶことも選択肢の一つです。
ただし、「AIを学べばAIエンジニアになれる」という話ではありません。
事務職の方がまず考えたいのは、現在行っている仕事をAIやデジタルツールでどう改善できるかです。
例えば、
- 文章のたたき台を作る
- 情報を整理する
- 会議内容を要約する
- Excel関数を考える補助に使う
- 業務マニュアルを作成する
- 定型作業の効率化を考える
などがあります。
重要なのは、単にAIツールを触れることではありません。
「どの業務に使えるか」「出力内容が正しいか確認できるか」「業務として再現できるか」まで考えることです。
事務経験があるからこそ、現在の業務のどこに無駄があるのか、どこを効率化できるのかに気づける場合があります。
事務職からキャリアチェンジするなら何を学ぶべき?3ステップで決める
ここまで5つのスキルを紹介しましたが、全部を勉強する必要はありません。
むしろ、興味があるものを片っ端から学ぶと、
「結局何を目指しているのか分からない」
という状態になりやすくなります。
学ぶ分野は、次の順番で考えてみてください。
これまでの事務経験を棚卸しする
最初に、これまでの仕事内容を書き出します。
例えば、
- Excelで売上集計をしていた
- 営業資料を作っていた
- 請求書を処理していた
- 顧客からの問い合わせに対応していた
- 社内システムの使い方を教えていた
- 業務フローを改善した経験がある
などです。
「一般事務をしていました」で終わらせず、実際に何をしていたのかまで細かく分解してください。
興味のある仕事の求人を10〜20件見る
次に、転職サイトなどで興味のある職種の求人を見てみましょう。
ここで重要なのは、すぐに応募することではありません。
見るのは、
- どんな仕事内容なのか
- どんな経験が求められているのか
- どんなスキルが歓迎されているのか
- 未経験可の求人では何を見られているのか
です。
求人を複数見ると、共通して書かれているスキルが見えてきます。
その共通項が、これから学ぶ候補です。
まず小さく学んで実際に使ってみる
学ぶ内容を決めたら、いきなり高額な講座を契約する必要はありません。
まずは書籍、動画、オンライン教材などを使い、小さく始めてみましょう。
例えばExcelなら、仕事で使っている表を改善してみる。
Webマーケティングなら、自分でブログやSNSを運用してみる。
生成AIなら、実際の業務を想定して文章作成や情報整理に使ってみる。
実際に使うことで、
「もっと学びたい」
「思っていた仕事と違うかもしれない」
ということも分かります。
資格を取れば事務職からキャリアチェンジできる?
キャリアチェンジを考えると、
「まず資格を取った方がいいのでは?」
と考える方もいます。
資格が役立つケースはあります。
特に簿記やIT系の資格などは、学習する内容を体系的に整理する手段として使えます。
ただし、資格取得=転職成功ではありません。
企業が確認したいのは、資格の有無だけではなく、
- なぜその分野を学んだのか
- 何ができるようになったのか
- 実際にどのように使ったのか
- これまでの経験とどうつながるのか
- 入社後にどう活かせるのか
といった部分です。
「転職に有利そうだから資格を取る」のではなく、目指す仕事から逆算して必要かどうかを判断しましょう。
働きながら勉強するなら最初から無理な計画を立てない
事務職として働きながらキャリアチェンジを目指す場合、学習時間をどう作るかも重要です。
最初から、
「毎日3時間勉強する」
と決めても、仕事が忙しくなれば続かなくなる可能性があります。
大切なのは、今の生活の中で確保できる時間から逆算して計画を作ることです。
働きながらリスキリングを続けるには?学習時間の作り方と無理のない計画を解説
学習期間だけを見るのではなく、実践する時間や転職活動の準備まで含めて考えておきましょう。
独学とスクールはどちらを選ぶ?
学びたい分野が決まったあとに、独学とスクールのどちらを選ぶか迷う方もいると思います。
基本的には、
- 自分で計画を立てて進められるか
- 質問できる環境が必要か
- 実践的な課題や添削が必要か
- 転職支援まで必要か
- 学習にかけられる予算はいくらか
などで考えます。
「スクールに通えば転職できる」わけではありません。
一方で、一人では学習計画を立てづらい方や、フィードバックを受けながら実践したい方には、スクールが選択肢になる場合があります。
リスキリングは独学で十分?スクールに通うべき人・通わなくていい人を解説
学んだスキルを「転職で使える形」にすることが重要
ここは、元スクール営業と現役転職エージェントの両方の立場から、特に伝えたい部分です。
勉強しただけで終わらせないでください。
例えば、
- Excelを学んだ → 実際に集計表を改善した
- 簿記を学んだ → 会計の仕組みを理解した
- Webマーケティングを学んだ → 自分でサイトを運用した
- 生成AIを学んだ → 業務を効率化する方法を考えた
というように、
「勉強した」から「使った」へ進めることが重要です。
そして転職活動では、
「なぜ学んだのか」
「何ができるようになったのか」
「今までの事務経験とどうつながるのか」
を説明できる状態を目指してください。
学習したスキルを転職活動へつなげる具体的な流れはこちらで解説しています。
リスキリングで学んだスキルを転職につなげるには?未経験者がやるべき5ステップ
事務職からのキャリアチェンジでよくある質問
事務職から未経験職種へ転職するのは難しいですか?
職種によって難易度は異なります。
ただし、「未経験だからすべてゼロ」というわけではありません。
事務職で身につけたPCスキル、調整力、正確性、顧客対応、数値管理などが活かせる職種もあります。
まずは、これまでの経験と目指す職種との共通点を探してみてください。
事務職からキャリアチェンジするなら一番おすすめのスキルは何ですか?
全員に共通する「一番おすすめ」はありません。
目指す仕事によって必要なスキルが変わるからです。
まだ職種が決まっていない場合は、まずExcel・データ活用やIT・生成AIなど、現在の業務でも使えるスキルから小さく学んでみる方法があります。
キャリアチェンジするなら資格は必要ですか?
必須ではない職種も多くあります。
資格を取ることよりも、目指す仕事で何が求められているのかを確認することが先です。
求人を確認したうえで、必要な知識を体系的に学ぶ方法として資格を使いましょう。
仕事を辞めてから勉強した方がいいですか?
必ずしも仕事を辞める必要はありません。
生活費や転職活動の期間も考えると、まずは働きながら小さく学び、自分に合う分野か確認する方法もあります。
学習期間が長い分野では、無理なく継続できる計画を作ることが重要です。
まとめ
事務職からキャリアチェンジするときは、これまでの経験を捨ててゼロから始める必要はありません。
まずは、
- Excel・データ分析
- 簿記・会計
- IT・SaaS・業務改善
- Webマーケティング
- 生成AI・業務効率化
などから、自分が目指す仕事につながるスキルを検討してみてください。
そして大切なのは、流行しているスキルから選ぶのではなく、
「これまでの事務経験 × 目指す仕事 × 新しく身につけるスキル」
で考えることです。
まずは自分がこれまで担当してきた業務を書き出し、興味のある職種の求人を10〜20件見てみてください。
そこに共通して書かれているスキルが、あなたが次に学ぶべきことを考えるヒントになります。
キャリアチェンジは、今までの経験をリセットすることではありません。
これまで積み上げてきた事務経験に新しいスキルを加え、次のキャリアへつなげていきましょう。

