こんにちは、「リスキリング転職ラボ」のユウです。
私は以前、スクール営業として、スキルアップやキャリアチェンジを考えている方の相談に携わっていました。
現在は現役転職エージェントとして、転職やキャリアについての相談を受けています。
リスキリングスクールを比較していると、
- 動画や教材を使って進めるeラーニング
- 複数人で受講する集団授業
- 数人で学ぶ少人数授業
- 講師と1対1で学ぶマンツーマン
など、さまざまな授業形式があります。
すると、
- 初心者ならマンツーマンの方がいい?
- eラーニングだけでもスキルは身につく?
- 集団授業と少人数授業は何が違う?
- 働きながらならどの形式が続けやすい?
- 料金が高いマンツーマンほど質も高い?
と迷う方もいると思います。
結論から言うと、「この授業形式なら絶対に学べる」というものはありません。
重要なのは授業形式の名称よりも、
- 自分で学習を進められるか
- 分からないときに質問できるか
- 実際に手を動かす課題があるか
- アウトプットへフィードバックを受けられるか
- 学習が止まったときに立て直せるか
です。
私はスクール営業としてサービスを説明する側にいましたが、スクールを比較するときは「マンツーマン」「少人数制」「質問し放題」といった名称だけではなく、受講者が実際に1週間で何をするのかまで確認することが大切だと考えています。
この記事では、eラーニング・集団授業・少人数授業・マンツーマンの違いと、それぞれの特徴、自分に合う授業形式を判断するポイントを解説します。
オンラインと通学そのものの違いから確認したい方は、リスキリングスクールはオンラインと通学どっち?7項目で比較して向いている人を元スクール営業が解説も参考にしてください。
リスキリングスクールの主な4つの授業形式
まずは代表的な授業形式を整理します。
| 授業形式 | 主な特徴 | 合いやすい人 |
|---|---|---|
| eラーニング | 動画・教材を自分で進める | 自分で予定を管理したい人 |
| 集団授業 | 複数人が同じペースで学ぶ | 学習ペースを作ってほしい人 |
| 少人数授業 | 少人数で講師とやり取りしながら学ぶ | 質問・交流も重視したい人 |
| マンツーマン | 講師などと1対1で学ぶ | 個別に質問・相談したい人 |
ただし、これはあくまで大まかな分類です。
同じeラーニングでも、質問対応や課題添削が充実しているスクールがあります。
反対に、「マンツーマン」と書かれていても、普段は動画学習で、週1回だけ個別面談という場合もあります。
授業形式の名前だけでは、実際の学習環境までは判断できません。
研究から見ても「授業形式だけ」で優劣は決められない
授業形式を考えるうえで参考になる研究があります。
2023年に公開された、オンライン学習・ブレンディッド学習・反転授業・教室授業を比較したメタ分析では、オンラインなどテクノロジーを使った学習にも一定の効果が確認されています。
一方、オンライン学習単独の効果は比較的小さく、ブレンディッド学習や反転授業ではより大きな効果が確認されました。
研究者らも、テクノロジーを使うこと自体より、どのような教育設計を行うかが重要としています。
ただし、この研究は主に教員養成・教員研修を対象としたものであり、民間のリスキリングスクールだけを調べた研究ではありません。
そのため、「この授業形式なら必ず成果が出る」と直接当てはめることはできません。
eラーニングとは?メリット・注意点
eラーニングでは、動画・テキスト・演習問題などを使い、自分で学習を進める形式が中心です。
eラーニングのメリット
大きなメリットは、学習時間を調整しやすいことです。
例えば、
- 通勤時間に動画を見る
- 仕事後に30分だけ進める
- 休日にまとめて課題へ取り組む
- 理解できなかった部分を繰り返し見る
といった使い方ができます。
固定された授業時間を確保しにくい社会人にとっては利用しやすい形式です。
eラーニングの注意点
一方で、自由に進められることは、裏を返せば自分で進めなければ学習が進まないということでもあります。
2025年に42研究・11,014人を対象としてまとめたメタ分析では、オンライン・ブレンディッド学習環境における自己調整学習と学業成績の間に、小さいながら統計的に有意な関連が確認されています。
つまりオンライン学習では、教材だけでなく、
- いつ学ぶか
- どこまで進めるか
- 遅れたときにどう立て直すか
といった自己管理も重要になります。
働きながら学習を続ける方法については、働きながらリスキリングを続けるには?学習時間の作り方と無理のない計画を解説で詳しく解説しています。
集団授業とは?メリット・注意点
集団授業は、複数の受講者が同じ授業を受け、基本的には同じカリキュラム・ペースで学習する形式です。
集団授業のメリット
授業日時やカリキュラムが決められている場合、自分一人で学習計画を作らなくても一定のペースを作りやすいことがメリットです。
ライブ授業であれば、他の受講者の質問から自分では気づかなかった疑問を知ることもあります。
集団授業の注意点
一方、授業は自分一人の理解度に合わせて進むわけではありません。
理解が早いと遅く感じることもあれば、一度つまずくと次の授業までに追いつく必要が出る場合もあります。
そのため、
- 欠席した場合に録画を見られるか
- 授業外でも質問できるか
- 課題添削はあるか
- 遅れた場合のフォローはあるか
まで確認しましょう。
少人数授業とは?メリット・注意点
少人数授業は、比較的少ない受講者で授業を受ける形式です。
ただし、「少人数」が何人なのかはスクールによって異なります。
少人数授業のメリット
人数が限られていれば、講師が受講者の理解度を把握しやすく、質問やディスカッションの時間を確保しやすい場合があります。
また、他の受講者の考え方や制作物を見ることが、自分の学習の参考になることもあります。
大学のSTEM教育を対象とした225研究のメタ分析では、一方的な講義と比較して、受講者自身が考えたり問題を解いたりするアクティブラーニングの方が学習成果を高める結果が報告されています。
ただし、これは「少人数にすれば自動的に成果が上がる」という意味ではありません。
重要なのは、受講者自身が考える・作る・質問する・フィードバックを受ける機会があるかです。
少人数授業の注意点
少人数であっても講師が一方的に話すだけなら、学習体験は集団授業と大きく変わらないことがあります。
「少人数制」という言葉だけでなく、
- 最大何人なのか
- 授業中に質問できるか
- 一人ずつ課題を見てもらえるか
- 実践する時間があるか
を確認しましょう。
マンツーマンとは?メリット・注意点
マンツーマンは、講師・メンターなどと1対1で学ぶ形式です。
マンツーマンのメリット
特徴は、自分の理解度や課題に合わせて質問・相談しやすいことです。
例えば、
- 自分のコードを見てもらう
- デザインを添削してもらう
- 苦手分野を重点的に質問する
- ポートフォリオについて相談する
など、個別の課題に対応してもらえる場合があります。
マンツーマンの注意点
注意したいのが、「マンツーマン」という言葉が指す範囲はスクールによって違うことです。
例えば、
- 授業そのものがすべて1対1
- 基本は動画学習で週1回だけ個別面談
- 質問するときだけ1対1
- 月数回だけメンタリング
では、受講体験が大きく異なります。
「マンツーマンですか?」だけではなく、
「1週間・1か月のうち、実際に1対1で指導を受けられる時間はどのくらいですか?」
まで聞くと比較しやすくなります。
重要なのは授業形式より「学習の5機能」
ここがこの記事で最も重要なポイントです。
スクールを比較するときは、eラーニング・集団・少人数・マンツーマンという名称だけでなく、次の5つがどう設計されているか確認してください。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| インプット | 知識をどのように学ぶか |
| 実践 | 実際に作る・解く機会があるか |
| 質問 | 分からないとき誰にどう聞けるか |
| フィードバック | 課題を誰がどこまで添削するか |
| 進捗管理 | 学習が止まったときどう支援するか |
例えばeラーニング中心でも、
- 実践課題がある
- 質問できる
- 課題添削がある
- 定期面談がある
のであれば、一人で動画を見るだけのサービスとは学習環境が大きく違います。
反対にマンツーマンでも、個別面談以外に実践する仕組みがなければ、指導時間だけでスキルが身につくとは限りません。
「何人で学ぶか」より「学習→実践→フィードバック→改善の流れがあるか」を優先しましょう。
フィードバックはなぜ重要?研究結果も確認
2023年に61研究・182の効果量を統合したメタ分析では、テクノロジーを使った学習環境におけるフィードバックは、フィードバックがない場合と比べて学習成果に中程度のプラス効果を示しました。
効果量はg=0.44で、特に説明を伴うフィードバックの効果が大きいという結果でした。
これは民間リスキリングスクールだけを対象とした研究ではありません。
ただし、スクール選びで、
「教材が何本あるか」だけでなく、「自分のアウトプットに具体的なフィードバックを受けられるか」
を確認する根拠の一つになります。
授業形式別|どんな人に向いている?
| 授業形式 | 向いている可能性がある人 |
|---|---|
| eラーニング | 自分で学習予定を管理でき、好きな時間に進めたい人 |
| 集団授業 | 決められたスケジュールがある方が続けやすい人 |
| 少人数授業 | 質問しながら他の受講者とも学びたい人 |
| マンツーマン | 自分の課題・制作物を個別に見てもらいたい人 |
ここで大切なのは、性格だけで決めるのではなく、
「自分は一人で学習したとき、どこで止まりやすいのか」
を考えることです。
初心者ならマンツーマンを選べば安心?
必ずしもそうではありません。
初心者の場合、何が分からないのか自分でも整理できないことがあります。
そのため、個別指導だけでなく、
- 体系的なカリキュラム
- 基礎教材
- 実践課題
- 質問環境
- 進捗管理
が揃っているかを見ることが重要です。
1対1という形式だけで安心せず、学習全体の設計を確認してください。
料金が高い授業形式ほど良い?
マンツーマンなど個別対応の多いサービスは、料金が高くなる場合があります。
ただし、料金が高いこと自体が学習成果を保証するわけではありません。
自分で十分学習を進められる人なら、長時間の個別指導を必要としない場合があります。
反対に、一人では毎回同じところで止まってしまう人なら、質問・添削・個別相談へ費用を払う意味があるかもしれません。
重要なのは、
「高いか安いか」ではなく「自分に必要なサポートにお金を払っているか」
です。
受講料の比較方法については、リスキリングスクールの料金相場は?費用の内訳・補助金・選び方を元スクール営業が解説も参考にしてください。
元スクール営業として契約前に確認してほしいこと
私はスクール営業として、サービスを説明する側にいました。
だからこそ、スクールを比較するときは、魅力的な名称だけで判断しないでほしいと思っています。
例えば、
「少人数制」
「マンツーマンサポート」
「質問し放題」
と書かれていても、それだけでは実際のサポート内容までは分かりません。
確認するなら、
- 少人数とは最大何人なのか
- マンツーマンは週・月に何分なのか
- 質問できる時間帯は決まっているか
- 回答までの目安はあるか
- 課題は誰が添削するのか
- 何回まで添削してもらえるのか
まで具体化しましょう。
サービス名ではなく「入会後の自分の1週間」を具体的に想像できるところまで聞く。
これが授業形式を比較するときのポイントです。
無料カウンセリングで聞きたい10の質問
- 普段の学習は動画・ライブ授業・個別指導のどれが中心ですか?
- 集団授業の場合、最大何人ですか?
- 少人数授業の場合、授業中に個別質問できますか?
- マンツーマン指導は週・月に何回ありますか?
- 1回の個別指導は何分ですか?
- 授業外でも質問できますか?
- 質問への回答時間の目安はありますか?
- 課題や制作物は誰が添削しますか?
- 学習が遅れた場合のフォローはありますか?
- 授業形式が自分に合わない場合、学び方を変更できますか?
無料カウンセリング全体で何を確認すればいいかは、スクールの無料カウンセリングで何を聞く?元スクール営業が質問10項目を解説でもまとめています。
授業形式だけでスクールを決めない
授業形式はスクール選びの一項目にすぎません。
最終的には、
- 目指す仕事に必要な内容を学べるか
- 実際に手を動かせるか
- 質問・添削を受けられるか
- 働きながら続けられるか
- 転職支援が自分に必要か
- 総額に納得できるか
まで比較してください。
スクール全体の選び方は、リスキリングスクールの選び方|元スクール営業が後悔しない7つのポイントを解説で詳しく解説しています。
転職支援については、リスキリングスクールの転職支援は何をしてくれる?求人紹介・書類添削・面接対策を元スクール営業×現役転職エージェントが解説も参考にしてください。
よくある質問
eラーニングだけでもスキルは身につきますか?
eラーニングだから身につかないとは言えません。
重要なのは教材を見るだけで終わらず、実際に手を動かし、分からないところを解決し、必要に応じてフィードバックを受けながら改善できるかです。
初心者は少人数とマンツーマンどちらがいいですか?
一律には決められません。
自分の課題を個別に見てもらいたいならマンツーマン、質問しつつ他の受講者の考え方も知りたいなら少人数授業が合う場合があります。
集団授業は質問しにくいですか?
スクールによります。
授業中の質問時間、授業後の個別質問、チャットサポートなどが用意されている場合もあります。
マンツーマンなら挫折しにくいですか?
マンツーマンという形式だけで挫折を防げるとは限りません。
授業以外にも自分で学習する必要がある場合があるため、進捗管理や学習計画のサポートも確認しましょう。
動画授業とライブ授業はどちらがいいですか?
動画授業は時間を調整しやすく、ライブ授業はその場で講師や受講者とやり取りしやすい特徴があります。
どちらか一方が必ず優れているわけではありません。
自分が参加できる時間と、質問・実践・フィードバックまで含めて判断しましょう。
まとめ
リスキリングスクールには、eラーニング・集団授業・少人数授業・マンツーマンなど、さまざまな授業形式があります。
しかし、授業形式の名前だけで良し悪しを決めることはできません。
重要なのは、
- 知識を学べる
- 実際に手を動かせる
- 分からないことを質問できる
- アウトプットへフィードバックを受けられる
- 学習を継続できる
という環境が作られているかです。
「eラーニングだから安い」「マンツーマンだから安心」と決めるのではなく、自分に不足している学習環境を補える形式を選ぶ。
これが授業形式を比較するときに大切です。
まずは、自分が一人で学習したときにどこで止まりやすいのかを考えてみてください。
その答えが分かると、必要なのが動画教材なのか、集団授業なのか、少人数授業なのか、マンツーマンなのかも判断しやすくなります。
参考文献
- Schmid, R. F. et al. (2023). A meta-analysis of online learning, blended learning, the flipped classroom and classroom instruction for pre-service and in-service teachers. Computers and Education Open, 5, 100142.
- Cai, Z. et al. (2023). The effect of feedback on academic achievement in technology-rich learning environments: A meta-analytic review. Educational Research Review, 39, 100521.
- Zhao, Y. et al. (2025). A meta-analysis of the correlation between self-regulated learning strategies and academic performance in online and blended learning environments. Computers & Education, 230, 105279.
- Freeman, S. et al. (2014). Active learning increases student performance in science, engineering, and mathematics. Proceedings of the National Academy of Sciences, 111(23), 8410–8415.

