こんにちは、「リスキリング転職ラボ」のユウです。
私は元スクール営業で、現在は現役転職エージェントとして、転職やキャリアについての相談に携わっています。
リスキリングを始めようと思ったとき、候補に挙がりやすいのが資格取得です。
- 20代・30代なら何の資格を取ればいい?
- 転職につながりやすい資格はある?
- IT系の資格を取った方がいい?
- 簿記やMOSは転職で使える?
- 資格が多すぎて何を選べばいいか分からない
こうした悩みを持つ方も多いと思います。
ただし、最初にお伝えしておきたいのは、すべての人に共通しておすすめできる資格はないということです。
経理を目指す人とIT業界を目指す人では、必要な知識が違います。
そのため、この記事では単純な「おすすめ資格ランキング」にはせず、
「どんな仕事を目指す人に、その資格が選択肢になりやすいのか」
という視点から7つ紹介します。
「そもそも転職のために資格を取る必要がある?」という方は、先に転職に資格は必要?現役転職エージェントが「取るべき人・取らなくていい人」を解説も参考にしてください。
リスキリング資格は「人気」ではなく目指す仕事から選ぶ
資格を探すと、
「社会人におすすめの資格」
「転職に強い資格ランキング」
といった情報がたくさん出てきます。
参考にすること自体は問題ありません。
ただ、ランキング上位の資格を取ったからといって、自分の転職に役立つとは限りません。
資格を選ぶときは、
- どんな仕事を目指したいのか
- その仕事では何が求められているのか
- 今の自分に何が足りないのか
- その不足を資格で補えるのか
という順番で考えてみてください。
資格からキャリアを決めるのではなく、キャリアから資格を決める。
これが基本です。
20代・30代のリスキリングで考えたい資格・検定7選
| 資格・検定 | 向いている人 | つなげやすい方向 |
|---|---|---|
| ITパスポート | ITの基礎を広く学びたい人 | IT・SaaS・DX関連 |
| MOS Excel | PC・Excelスキルを高めたい人 | 事務・営業企画・業務効率化 |
| 日商簿記 | 会計や数字に強くなりたい人 | 経理・会計・管理系 |
| 基本情報技術者 | IT分野へ本格的に進みたい人 | ITエンジニア・IT関連職 |
| FP技能検定 | 金融・保険・不動産に関心がある人 | 金融・保険・不動産など |
| 宅地建物取引士 | 不動産業界を目指す人 | 不動産営業・不動産関連 |
| TOEIC L&R | 英語を使う仕事を目指す人 | 英語を使う業務・グローバル企業など |
ここから、それぞれどんな人に向いているのかを見ていきます。
ITパスポート|ITの基礎を広く学びたい人
ITパスポートは、ITを活用する社会人が知っておきたい基礎知識を幅広く学べる国家試験です。
ITだけではなく、セキュリティ、経営、マーケティング、プロジェクトマネジメントなども扱われます。
そのため、
- IT業界に興味がある
- SaaS企業へ転職したい
- 営業経験にIT知識を加えたい
- DXや業務効率化について学びたい
という方が基礎を学ぶ選択肢になります。
ただし、ITパスポートを取得しただけでエンジニアになれるという意味ではありません。
営業職であれば、
「営業経験+ITの基礎知識」
というように、これまでの経験と組み合わせて考えることが大切です。
MOS Excel|事務・営業でExcelを使う人
MOSは、WordやExcel、PowerPointなどMicrosoft Office製品の操作スキルを確認できる試験です。
特にExcelは、事務職だけでなく営業や営業企画などでも使う機会があります。
「パソコンが苦手なので基礎から学び直したい」
「事務職に挑戦する前にExcelを勉強したい」
という方には選択肢になります。
ただし、資格名だけで終わらせるのではなく、
「Excelを学び、実際の業務で集計や資料作成に活かした」
というように、実務とつなげられるとより具体的です。
日商簿記|経理・会計や数字を理解したい人
経理や会計分野に興味がある方なら、日商簿記も候補になります。
簿記では、企業のお金の流れや会計について学びます。
経理職を目指す場合だけでなく、売上・利益・コストなど、会社の数字を理解する基礎にもなります。
特に経理へキャリアチェンジしたい場合は、実際の求人を見ながら、どの程度の知識や実務経験が求められているのか確認してみてください。
基本情報技術者|IT分野へ本格的に進みたい人
ITパスポートよりも一歩踏み込んで、IT分野を学びたい人が検討できるのが基本情報技術者試験です。
ITの基礎に加え、システムやプログラミングなども学ぶため、より専門的な内容になります。
「ITについて広く知りたい」ならITパスポート。
「ITを作る側の仕事も視野に入れたい」なら基本情報技術者。
というように、目的から選ぶことが大切です。
IT・Web系の仕事そのものをまだ詳しく知らない方は、未経験からIT・Web・クリエイティブ職へ転職するには?7職種と必要スキルを解説も参考にしてください。
FP技能検定|金融・保険・不動産に関心がある人
FP技能検定では、資産運用、保険、不動産、税金、相続など、お金に関する幅広い知識を学びます。
金融・保険・不動産などに興味がある方にとっては、関連知識を整理する方法の一つです。
一方で、転職先と関係がないのに、
「お金の勉強になりそうだから」
という理由だけで取得しても、それが直接転職につながるとは限りません。
生活のために学ぶのか、仕事で使うために学ぶのかを分けて考えましょう。
宅地建物取引士|不動産業界を目指す人
不動産業界への転職を考えている方なら、宅地建物取引士、いわゆる宅建も候補になります。
不動産業界との関連性が明確なので、目指す仕事と資格をつなげやすいのが特徴です。
例えば営業経験がある人なら、
「営業経験+不動産の専門知識」
という組み合わせで考えられます。
ただし、不動産業界へ進む予定がない人まで「転職に強そうだから」という理由だけで取得する必要はありません。
TOEIC L&R|英語を使う仕事を目指す人
TOEIC L&Rは、英語のListening・Reading能力をスコアで示すテストです。
英語を使う仕事やグローバル企業などを検討している場合には、自分の英語力を示す材料の一つになります。
ただし、
「TOEICの点数を上げれば、とりあえず転職に有利になる」
と考えない方がいいでしょう。
英語をほとんど使わない仕事であれば、その学習時間を別のスキルに使った方がいい場合もあります。
英語を使うキャリアを本当に目指しているかを先に考えてください。
資格は「今までの経験」と組み合わせて考える
資格は単体で考えるより、これまでの経験と組み合わせて考える方がキャリアとのつながりを作りやすくなります。
例えば、
営業職からIT・SaaS企業へ行きたい場合
顧客へのヒアリングや提案経験に、ITの基礎知識を加える。
営業経験+IT知識という考え方です。
事務職から経理へ行きたい場合
事務で培った正確性やExcel操作に、簿記の知識を追加する。
事務経験+Excel+簿記という組み合わせで考えられます。
営業経験を活かして不動産業界へ行きたい場合
顧客折衝や提案力に不動産の専門知識を加える。
営業経験+宅建という形です。
営業経験を活かしたキャリアチェンジについては、営業職からキャリアチェンジするなら何を学ぶ?おすすめスキル5選でも詳しく解説しています。
例えばWebデザイナーを目指す場合、資格がどこまで必要なのかは仕事内容や応募先によって変わります。詳しくはWebデザイナーに資格は必要?未経験からの選び方で整理しています。
資格を取っただけで転職につながるとは限らない
スクール営業をしていたときには、
「何かスキルを身につけないと不安」
「勉強すればキャリアを変えられるかもしれない」
という思いで相談に来る方もいました。
一方で、学んだあとに、
「これが自分の武器になっているのか分からない」
「実際の仕事で使えるレベルなのか分からない」
「結局、何に応募すればいいのか分からない」
となってしまうこともあります。
現在、転職支援をする立場から見ても、資格を持っていることと、転職市場で評価されることは同じではありません。
だからこそ、
「この資格を取る」ではなく、「この仕事を目指す。そのためにこの資格を取る」
という順番で考えてほしいと思っています。
すでに資格やスキルを学び始めている方は、リスキリングで学んだスキルを転職につなげる5ステップも参考にしてください。
資格を決める前に求人を見る
気になる資格が見つかったら、いきなり教材を買う前に一度求人を見てみてください。
興味のある職種の求人を10件程度見て、
- その資格は必須になっているか
- 歓迎条件なのか
- 資格より実務経験が求められていないか
- 未経験でも応募できるか
- 別のスキルが何度も書かれていないか
を確認します。
すると、
「資格を取ってから応募する」
「資格勉強と転職活動を並行する」
「資格ではなく別のスキルを学ぶ」
といった判断がしやすくなります。
資格取得は独学・通信講座・スクールのどれがいい?
資格や学ぶ内容が決まったら、次に学習方法を考えます。
自分で計画を立てて継続できるなら、独学でも問題ありません。
一方で、
- 勉強計画を自分で作るのが苦手
- 一度独学したけれど続かなかった
- 質問できる環境がほしい
- 体系的に学びたい
という場合は、通信講座やスクールも選択肢になります。
ただし、お金を払えば自動的に続けられるわけではありません。
自分の生活や性格、学習に使える時間まで考えて選びましょう。
スクールを利用する場合は、リスキリングスクールの選び方|元スクール営業が後悔しない7つのポイントを解説も参考にしてください。
独学との違いから確認したい方は、リスキリングは独学で十分?スクール・転職まで見据えた学び方で詳しく解説しています。
よくある質問
20代・30代ならどの資格を取るべきですか?
年齢だけで決めるのではなく、目指す仕事から逆算して選びましょう。
同じ20代でも、経理を目指す人とIT業界を目指す人では、必要な資格や知識が違います。
複数の資格を取った方が転職で有利ですか?
資格の数が多ければ必ず有利になるわけではありません。
応募する仕事との関連性や、学んだ知識をどう活かすのかの方が重要です。
資格を取ってから転職活動を始めるべきですか?
応募に資格が必須なら取得を優先する意味があります。
必須でなければ、求人確認や転職活動と勉強を並行する方法もあります。
独学と通信講座・スクールはどちらがいいですか?
自分で計画を立てて継続できるなら独学も選択肢です。
一人では続きにくい、質問できる環境がほしいという場合は、通信講座やスクールを比較してみましょう。
まとめ
20代・30代がリスキリングを考えるとき、資格取得は一つの選択肢です。
今回紹介したのは、
- ITパスポート
- MOS Excel
- 日商簿記
- 基本情報技術者
- FP技能検定
- 宅地建物取引士
- TOEIC L&R
です。
ただし、この中から人気の資格を選べばいいわけではありません。
大切なのは、
「どんな仕事をしたいのか」→「その仕事には何が必要か」→「今の自分に何が足りないか」→「資格で補えるか」
という順番です。
そして、今までの経験をゼロにしないこと。
営業経験、事務経験、接客経験など、これまで積み上げてきたものに新しい知識を加えることで、キャリアの選択肢を広げられる場合があります。
資格そのものをゴールにせず、「今までの経験+新しい学び」で次のキャリアを考えてみてください。

